締め括りは天上の音楽で

506_en60.jpg LFJ・モーツァルトイヤーの締め括りは、この公演で涙を流しましょう。本音楽祭で絶大なる人気を誇った、トヌ・カリユステ氏率いる、ベルリン古楽アカデミー・RIAS室内合唱団による、モーツァルト:レクイエム ニ短調K.626、そして「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618番を。今回は特別に、バックステージから鑑賞する事が出来ました。感謝!
 荘厳な響きに惹き付けられました。カリユステ氏が描き出す、清らかな中に潜むグロテスクな「死」というモチーフが、耳の奥深く染み渡ります。この世とあの世をたゆたうような、不思議な感覚に陥りました。そして、ソリスト陣の歌唱力の高さには脱帽!特にソプラノ歌手、スンハエ・イムさんの透き通るようなイントロトゥス(第1曲)だけで、感動の余り天に召されそうになってしまいました。

506_en61.jpg RIAS合唱団の御姿。彼らが静かに歌う「涙の日(第8曲)」は正に天上のコーラス。クオリティの高さを実感しました。
 「アヴェ・ヴェルム・コルプス」でも、宗教曲らしい静かで美しいハーモニーを奏で、更にルネ・マルタン氏の要望で行われたアンコール、モーツァルトの最後の作品「フリーメイソンの為の合唱曲(凄い名前ですが、美しい曲です)」でも、素晴らしい声で締め括ってくださいました。

 「熱狂の日」は、美しいとしか形容出来ない響きで、静かに幕を閉じたのでした。

----------
 これにて、不肖私E.N.の公式レポートは終了。目を通してくださいました皆様に、多大なる感謝を捧げます。
 公式レポート自体はまだ続きますので、最後までどうぞお楽しみくださいませ!(E.N.)

Tokyo International Forum 東京国際フォーラム