5/3、20:45~古楽器フォルテピアノの名手、シュタイアー氏がホールBに登場!
現代のピアノの前身であるフォルテピアノは、モーツァルトが生きていた時代の楽器です。この日使われた楽器は、彼が愛用していた楽器と同じ型のものです。その音はピアノに比べてはるかに小さく、770席ある会場を埋め尽くした聴衆は水を打ったように静まり返って一心不乱に聴き入っていました。
プログラムはモーツァルトの、
ピアノのための前奏曲ハ長調 K.395、ピアノ・ソナタ第17番 K.570、前奏曲 K.624、ピアノ・ソナタ第12番 K.332 です。
シュタイアー氏は前奏曲からソナタへ曲間を空けずに演奏し、その音色は時に天使のささやきのように、雲の上の音楽を奏でていました。さりげなく入れられた装飾音も聞き逃せません。ありえないような優しさと、まろやかに包み込まれるようなPPの音。弦のはじかれる音は、日頃ピアノの音に慣れた筆者にとって新鮮なものでした。
お客様も満足げに会場をあとにしています。
両親と練馬区から来たという男の子は、「ふつうのピアノと違って独特の音でよかった。」と感想を語ってくれました。彼は最後尾の席で、立ち上がって鑑賞、シュタイアー氏の演奏に魅了されていたようです。
フォルテピアノの片付け風景。
現代のピアノのペダルは足で踏みますが、フォルテピアノのペダルは膝で押し上げるスタイルです。珍しいですね。
舞台上では次の公演のための準備が同時進行で行われていました。
左が現代のグランドピアノ、右がフォルテピアノです。
お客さんが去ったホールの風景。
シュタイアー氏の公演は今日のこの日1回きりです。
この場にいられて良かった!!
(E.M.)