モーツァルトは、今日もまた人気者だ。
彼がいくところ、人々の笑顔が迎え、そしてまた携帯写真の嵐となる。
しかし、背後からひたひたと迫ってくる悪夢を、彼はまだ知らない。
撮影をしている筆者のうしろで、ひとりの男の子の声が・・・。
「おとうさん、ニセ・モーツァルトだよ」
子供は正直。正直が一番。
「うそをついちゃいけません」は大人も幼稚園のえつこ先生に言われただろう。
しかしだなキミ、大人には大人の都合というものがあるのだよ。
あと10年くらいたったらわかると思うんだけどね。
そしてモーツァルトは、そんな苦い一瞬の出来事も知らずに、エスカレーターで去っていったのだった。
教訓)夢を持とう、夢を。
(A.Y.)