クラシック・ソムリエ席にもおたずねがあったということですので、こちらでもお答えします。会場内で常に放送されている、2002年ナント音楽祭(ラ・ フォル・ジュルネ)の映像ですが、見事なピアノの弾き振りで協奏曲第21番を聴かせてくれているのは、クリスティアン・ツァハリアス(Christian Zacharias)氏です。モーツァルト作品を得意としており、EMIにはピアノ協奏曲を多数(第21番も録音しています。指揮はデヴィッド・ジンマン)、そしてピアノ・ソナタ全集や、フランク・ペーター・ツィマーマンとのデュオでヴァイオリン・ソナタ集も録音しています。また近年はドイツのMD+Gというレーベルにピアノ協奏曲の再録音も行いはじめ(指揮者として、交響曲第38番「プラハ」も録音)、同レーベルには、やはり弾き振りでショパンの協奏曲やシューマンの協奏曲を。また指揮者として、ミハイル・ハイドンの「レクイエム」などを録音しています。
彼のモーツァルトに対するこだわりは、協奏曲のカデンツァで顕著に表れており、自作カデンツァを演奏することが多数。日本ではあまりなじみのない人かもしれませんが、とても誠実で、生き生きとした演奏を聴かせてくれる音楽家ですので、ぜひ彼の名前を覚えておいてください。「熱狂の日」音楽祭2006にも、来て欲しかったですね。
(A.Y.)