クラシック・ソムリエ・サロン(4)

クラシック・ソムリエ・サロンの4回目は、スタートの2005年から「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のアンバサダーを努めてくださっています、作家の樋口裕一さんをお迎えしての音楽談義+おすすめ紹介です。ソムリエ・サロンのホストを務める「ぴあ」誌の田中泰さんを相手に、とにかく愉快な音楽談義が約1時間30分にわたって展開されました。この日の東京は「冬に逆戻りか」というくらい寒かったのですが、この会場内はホット。

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樋口さんといえば「ラ・フォル・ジュルネ」期間中は、とにかく毎日朝から夜まで、コンサートを聴き倒す&見倒すということで、スタッフの間でも有名。2月のナントにも2年ぶりにおいでになり、たくさんのコンサートをお聴きになったということです。それだけに音楽・音楽家に対する審美眼は鋭いのではないかと勝手に想像。そこでサロンでは、樋口視点によるおすすめアーティストからご紹介。

ネマーニャ・ラドゥロヴィチ……(5点満点の)5点
ミシェル・コルボ……5点
レジス・パスキエ……4.5点

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そのほかにも注目すべきアーティストはたくさんいたようでしたが、特に「この音楽祭は若手に注目。若いアーティストたちが新しい音楽作りをしてくれるのがいいですね」ということを強調していらっしゃいました。

ソムリエ・サロンでは、これまであまりお聴きいただかなかったバルトークの弦楽四重奏曲や、樋口さんが大ファンだというヤナーチェクの作品もいくつか。特にヤナーチェクについては「あまりお好きじゃない人もいらっしゃるかもしれないけれど」と前置きをされた上で、「聴いていると心をえぐられる音楽なんですよ」とアツく連呼。「日本ヤナーチェク友の会」にも入られているのだそうで、「会員はどのくらいいるんでしょうね。30人くらいなのかな。今回もヤナーチェクの曲が演奏されるコンサートには、きっと会員全員がくるんじゃないかな」とおっしゃっていました。な、なるほど。

後半はラヴェルを次々と。「ボレロはお笑いの曲です」という説が登場し「フィナーレなんかは、ズッコけているみたいですよね」と客席の笑いを誘います。次にお出しになるクラシック音楽関係のご著書では「笑えるクラシック」がテーマということですが、実はこの日も執筆のためにこもられていたホテルから会場にいらっしゃったのだそうです。樋口さんは、21日(水・祝日)に帝国ホテルで行われる「頭の良くなるクラシック」サロン・コンサートにもご出演します(電話予約のみ。詳細はここをクリック)。

クラシック・ソムリエ・サロン、5回目は4月6日(金)に開催決定。チョイ悪オヤジのカリスマであり、TBSラジオで「ラ・フォル・ジュルネの旅」という番組のパーソナリティを務めていらっしゃる、パンツェッタ・ジローラモさんがゲストです。樋口さんと共に「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のアンバサダーも務めているジローラモさんですが、さてどんな楽しい会になりますか。

(atsymo)

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