クラシック・ソムリエ・サロン、ファイナル

 1月からスタートしたクラシック・ソムリエ・サロンも、いよいよ最終回(とはいえ、ラ・フォル・ジュルネ会期中に、会場内で行われる可能性大です)。フィナーレにゲストとして登場したのは、サウンド&ヴィジュアル・ライターの前島秀国さんです。
 サウンド&ヴィジュアル・ライター、という肩書きはなにか。その秘密は前島さんの仕事内容にあります。音楽と同時に映画のお仕事、つまり映画や映画音楽についての執筆、サントラCDのライナーノート、そして映画音楽関係のコンサート構成などが多いのです。過去、そして今回のラ・フォル・ジュルネではコンサートと同時に映画も上映されていますが、この企画には前島さんの意見が強く反映されているということで、今回のソムリエ・サロンでも、上映される手塚治虫作品などについての紹介がありました。

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 トークはナントでのラ・フォル・ジュルネ体験談にはじまり、今回来日するワールド・ミュージック系グループ「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」「ムジカーシュ」の紹介へとうつります。さすが映画を多数観ていらっしゃるだけあって、タラフの演奏はジョニー・デップらが主演の「耳に残るは君の歌声」で聴ける話や、ムジカーシュの演奏はジブリ映画の「おもひでぽろぽろ」(高畑勲監督)の中でラジオから流れてくる話など、新鮮な情報がたくさん。またムジカーシュの演奏を軸に、バルトークへと至るハンガリー音楽の変遷なども、貴重なCDで。
 後半は、今回のラ・フォル・ジュルネでは大きな話題となりそうな、ファリャの「コイは魔術師」、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」、フォーレの「レクイエム」などを次々と。そしておしまいにナントでインタビューしたミシェル・コルボの言葉を紹介してくれました。それは・・・・

「フォーレのレクイエムを聴くときに、事前の知識はいりません。ただ聴いて、なにかを感じてくれればそれでいいのです」

 はからずもこの言葉は、ラ・フォル・ジュルネ全体のテーマでもあるでしょう。さすがはマエストロ・コルボ。キメてくれます。

 ソムリエ・サロンの後は同じ会場で、昨年からクラシック音楽界で話題になっていた映画「魔笛」の試写会を。引き続き前島さんのプレトークで。

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 さて、ラ・フォル・ジュルネもいよいよあと1週間で開幕。4月29日に丸の内でオープニング・セレモニーが行われます。この公式レポートも本格的に始動しますので、ぜひまた今年もお楽しみに!
(atsymo)

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