(5月4日更新)
5月3日22:30~、プラハ・ガルネリ・トリオがホールB7に現れた。
このトリオに関するレポーターの知識はゼロ。
当公式レポート隊の識者も、「聴いたことがない」とのこと。
しかしながら当夜のプログラムが、スメタナのピアノ三重奏曲(作品15)とドヴォルザークのピアノ三重奏曲「ドゥムキー」(作品30)という、好みの曲目だったので、終電の心配はあったが、レポーターMANTAは足を運んだ。
※ここから超個人的な話(しかも長文)が混じるのだが、できれば飛ばさずに聞いていただきたい。
レポーターMANTAはその昔、チェコを訪れたことがあった。
訪ねたのは首都プラハとブルノという町。チェコはスメタナとドヴォルザークの故郷である。
ブルノにはヤナーチェク音楽院があり、その近くの楽譜屋でMANTAは「プラハ・トリオ」というグループのCDを発見した。「これはプラハ土産(自分用)にピッタリではないか」と、当時高校生だったMANTAはグループ名だけでそのCDの購入を決断。そしてそこに収録されていたのが、上記の2曲だったのである。
MANTAはそのCDを何度も繰り返して聴いた。
2曲とも全く知らない作品だったので、最初はよく分からなかったが、「せっかく旅先で買ったんだし」と聴いているうちに、なんだかその2曲が好きになってきた。そしてこの「テキトーに買ったCD」は、MANTAの愛聴盤に加わったのである。
そんな思い入れもあってMANTAは今回、スメタナとドヴォルザークの2曲がセットになった「プラハ・ガルネリ・トリオ」の演奏会を心待ちにしていたのだ。
スメタナの演奏が始まった。なんだか渋いオッチャン3人組である。
●MANTAの第一印象: なんか「プラハ・トリオ」と違うなあ。
―演奏グループが違うのだから、同じ作品でも音楽はまったく違って当然である。
それは承知しているものの、MANTAの頭の中には「プラハ・トリオ」の演奏が刷り込まれてしまっていたので、「プラハ・ガルネリ・トリオ」の演奏に最初入りきれず、それがなんだかもどかしいように感じた。
がしかし、気付けばMANTAはいつの間にか、「プラハ・ガルネリ・トリオ」の不思議な魅力に引き込まれてしまっていたのだ。最初、動きが大げさだな~と思っていたヴァイオリンも気にならなくなっていた。MANTAは、自分がとても集中して演奏を聴いていることを感じた。
そして完全に新しい気持ちで「プラハ・ガルネリ・トリオ」が目の前で生み出している音楽に、心を傾けることが可能になったのだった。それは至福の時間だった。
だがそこでMANTAを襲う、黒い影。
皆さんも一度や二度、経験がおありだろう。
なんで今くるのよ、ってときに限ってくるアイツ。
とっても厄介で、とんでもない危険性をはらむアイツ。
腹痛(レベル9)である。
幸か不幸か、「プラハ・ガルネリ・トリオ」は素晴らしかった。
つまらない演奏会ならば即退場することをいとわない非常事態である。
MANTAは我慢した。歯を食いしばりながら、後半のドヴォルザークも聴くことを選択した。これを逃すと絶対に後悔することが分かっていたから。MANTAはその痛みに気付かないフリをして、聴き続けた。そしてその戦いが終わる頃、「プラハ・ガルネリ・トリオ」の演奏も終わり、大きな拍手が沸き起こったのであった。
立ち上がって拍手している人もいた。MANTAも手をたたきながら写真を撮った。
そして
「○○○・・・ノ ミナサン ノ タメ ニ」(○部分は聞きとり不可)
と日本語で挨拶があり、アンコール曲・ドヴォルザークのスケルツォが演奏された。
MANTAはその演奏を背中で聴きながら、エスカレーターを駆け下りた。
そしてなんとか事なきを得、最終電車にも間に合って(その間のことは書かない)家路についたのであった。
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以上、話が長くなったが、MANTAが言いたいのは
プラハ・ガルネリ・トリオを聴き逃すな!
ということである。
すなわち、あと一公演残っているガルネリ・トリオを皆さんに是非聴いていただきたい。ただそれだけ。
5月4日午前11時現在、チケットは残っている。
こんどはオール・ドヴォルザーク・プログラムだっ!!
★プラハ・ガルネリ・トリオ出演情報 (公演番号438)
5月5日(土)22:15~23:15 @ホールB5
自由席:1500円
プログラム
ドヴォルザーク: ピアノ三重奏曲 第1番 変ロ長調 作品21
ドヴォルザーク: ピアノ三重奏曲 第2番 ト短調 作品26
★終電情報 ・・・遠くにお住いの方へ
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(MANTA)