実はこんな映画だった、「チャイコフスキー」

映写室

 こんなにたくさんの生演奏が聴けるんだから、映画の企画は人気薄目かもな~と思ったら、全然そんなことはなくてなかなかの盛況ぶり。で、見ました、イーゴリ・タランキン監督のロシア映画「チャイコフスキー」を。一つのコンサートが45分程度と短いこの音楽祭にあって、映画「チャイコフスキー」は堂々2時間30分の大作(!)。
 内容は史実に基づいて作曲家チャイコフスキーの生涯を描くきわめて正統派の伝記映画でありました。中心となるのは有名な支援者フォン・メック夫人との「一度も直接会うことのなかった純愛関係」。流れる音楽はもちろんチャイコフスキー作品で、これがなかなか爆演系だったりする。だれが指揮してるのかなと思ってもテロップは全部キリル文字でさっぱり読めず。後で調べてみるとどうやらロジェストヴェンスキーだとか、レニングラード・フィルだとかの豪華アーティスト陣が音楽を担当していたらしい。さらにはあの名バレリーナ、マイヤ・プリセツカヤが若き日のチャイコフスキーの恋人役を演じ、「白鳥の湖」を踊っていたとか! げげ、レポーター、気づかなかったよ! やれやれ。
 正統派伝記映画だけにラストシーンをどう扱うかは気になるところ。チャイコフスキーの死因といえば自殺説もコレラ説もある。で、どっちかなと思ったら、テロップで「『悲愴』初演の8日後に死去した」と出るだけで、特定せず。なるほど。多くを語り過ぎないのもいいかも。
 音楽祭での上映は本日で終了。「見逃したけどどうしても見たい!」って方、DVDが出てるので探してみてください。
(Y.I)

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