バッハとジャズの融合

ホールC(ライプツィヒ)は、小曽根真さん(ピアノ)と、中川英二郎さん(トロンボーン)による、バッハの作品にもとづく即興演奏で幕があけました。

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ホールで配られているプログラムには作品名がなかったので、いったいどんなバッハ作品を取り上げ、そしてどんなジャズ演奏を繰り広げるのか、開演前からワクワクです。朝の早い時間からのコンサートなのに、たくさんの方がホールへ詰め掛けていました。

まず最初はヴィオラ・ダ・ガンバという古楽器のためのソナタ。トロンボーンとピアノの響きに会場中がうっとりしていると、途中ところどころにジャズの即興が!! もうこのライヴでしか味わえない即興演奏が始まっていたのです。

でも、それはまだまだ序の口。ほかにも、2声のためのインヴェンションが思いっきりジャズの即興演奏となり、プレリュードの頭10小節をテーマとしてバッハがサンバに!! これには会場もノリノリ。最後はきれいにG線上のアリアで占められ、アンコールのような形でもう1曲が演奏されました。

 

終演後、小曽根さんと中川さんにバッハをジャズ演奏するむずかしさ、バッハとジャズの距離について伺いました。

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「バッハの音楽は数学的なところがあって、特殊で、非常に計算された部分があります。即興するのは、元の曲にプラスアルファしたいからであり、変えることによってマイナスアルファにはしたくない。なので、バッハの音楽は気をつけないと、音楽の深いところまで入っていってそれをジャズと結びつけようとしても、むずかしいんです」(小曽根さん)
「シンプルな音楽のようで、バッハはすごく深いので、何回もリハーサルをやって初めて音楽の中にある仕掛けなどを理解することができました。それによって、バッハを自分たちなりの解釈で自由に表現できるようになったので、それがよかったです」(中川さん)

バッハって、本当に偉大で奥深い!

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