クラシックファンの方ならば誰もがご存じであろう、バッハの無伴奏チェロ組曲。非常に難易度の高い作品ですが、チェロという楽器の魅力を存分に引き出すこの曲をお好きな方も多いのではないでしょうか。今回のLFJでは、多くの素晴らしいチェリストが、この曲を通して皆様にチェロという楽器の素晴らしさをお伝えします。正にそれは、「無伴奏チェロ組曲ツィクルス」と呼ぶに相応しい試み。
その中の一人、日本でも人気の高いチェリスト、ピーター・ウィスペルウェイ氏による、第1番と第6番の演奏です。
モダンチェロとバロックチェロ、両方の世界に通じる氏の演奏は、常に軽やかでエアリー。牧歌的なイメージの強い第6番は、まるで森の中で散歩をしているようでした。すごいマイナスイオン効果。
終演後、ウィスペルウェイ氏に突撃インタビュー。忙しい中、応じていただきました。
筆者はチェロ弾きの為、どうしても聞きたい事が...それはズバリ、無伴奏チェロ組曲を弾く時の極意!
「まずは語りやダンスをイメージする事。それに、この曲は本来バロックチェロで弾くものであり、音がはっきりと出るモダンチェロで弾く事はとても難しいし、特に6番はチェロ・ピッコロ(5弦チェロ)の為に書かれているから、難易度が高い。でも、とにかく軽いタッチで弾くんだ。普通に弾くのは良くないね」
素晴らしく明快なお答えが返ってきました。一ファンとしては感動モノです!