今年のLFJの見所の一つは、本日14:30からホールAで開演された演奏会。
なぜならば、鬼才と称されるピアニスト、
イーヴォ・ポゴレリッチさんが登場なのです!
彼の演奏は期間中この1公演のみとあって、多いに注目が集まりました。
もちろん会場は5000席が満員。
ポゴレリッチさんといえば、かの「ポゴレリッチ騒動」。
1980年のショパン・コンクールの落選に、異議を唱えた審査員のアルゲリッチが
辞任してしまうという印象的な事件だった。
彼の独特の音楽をこのLFJで体験できるなんて。ホント?!
ブログ隊は本番直前まで、彼が舞台に登場するのを信じられない気持ちで待っていました。
おお!本物だ!本物のポゴレリッチさんが登場です!
よく見るスキンヘッドのお写真の影響が強かったのですが、
オールバックのヘアースタイルが紳士的。
演奏はショパンの協奏曲第二番。
指揮はゲオルグ・チチナゼさん、シンフォニア・ヴァルソヴィアとの共演です。
オーケストラの序奏につづき、さぁピアノの登場だ!、、、とその瞬間、
ん?何かが違う。これまできいたどの2番の演奏とも違う。
独特のテンポ感、リズム音型の作り方、間合いの取り方・・・
どれもがポゴレリッチ流の音楽になっている!!
ゆっくりと紡ぎだされる楽想の一つ一つ。
音楽が止まるか止まらないかのギリギリの間合い。
消え入る寸前の弱音かと思えば、突然力強く響く単音の世界。
どれをとってもものすごい緊張感。
一音ずつタッチを変えて弾いている。すごすぎる。
そしてやはり胸を打たれたのがチチナゼさんの指揮。
ポゴレリッチさんの音楽が向かう先をきちんと理解し、くみ取っていくんです。
それにオーケストラが誠実に応えていくんです。あの持続音っぷりはスゴい。
演奏が終わると、観客からも声が沸き上がり、
会場はすっかり熱っぽくなっていました。
さぁバックステージへ!駆けつけたブログ隊でありましたが、
ポゴレリッチさんがなかなか戻ってこられない。
と、アンコールでふたたび2楽章が聞こえてきましたよ。
あれれ、ここからまた20分の演奏が始まっちゃうの?
スタッフの方に尋ねてみると、
「予定にはなかったのですが、
ご本人が "No, I can't." (止められないんだ)ということで、
アンコールが始まってしまいました・・・」
おおお。
待つことしばし。
再熱演が終わって、舞台袖に戻られたポゴレリッチさんを激写。
追いかけてお話を〜〜〜!!
「聴衆はみんな幸せさ。
僕はもう着替えをしなくちゃいけないんだ。
わるいがこれで」
と楽屋へと姿を消したポゴレリッチさま。
(あまりの風格に、思わず「さま」づけ)
伝説級の演奏を、ありがとうございました。