ヴィルトゥオーゾという言葉を知っていますか?
意味は「名人芸」。
凡人には逆立ちしたって叶わないような、スゴ技で演奏するアーティストを形容するときに使われる言葉です。
ピアノの世界では、19世紀のヴィルトゥオーゾというと、リストその人。
彼は作曲家でもあり、その難曲を弾きこなせるのは彼自身でした。
現代のヴィルトゥオーゾとはだれか?
それがこの人!
リストの超絶技巧練習曲集、そしてメフィスト・ワルツ第1番を演奏して下さいました。
ものすごい迫力!
悪魔的とでも言いましょうか、うなるような低音の連発!
そして目にも留まらぬ速さのパッセージが繰り出す繰り出す・・・
そうかと思えば、まるでいたずらっ子のような、可愛らしい細かな音たち。
音楽の深さって、こういうことを言うんですね・・・きっと。余裕と奥行きを感じました。
ベレゾフスキーさんは、日本が震災にあった後も、今回の来日を一度も躊躇したことはなく、むしろずっと「行くんだ!」と言い続けておられたそうです。
「放射線のことも、余震のことも、僕は来日に差し障りないと思いましたし、どんな状況でも僕の気持ちは何も変わらないよ。」
そう穏やかな口調で話して下さいました。超絶技巧バリバリの作品も、まったく余裕で弾きこなすその姿、生きる姿勢そのものでもあるんですね、ボリスさん。
本日はこれから、ウラル・フィル×ドミトリー・リスさん(指揮)とのブラームスの協奏曲第2番にも登場されます。
こちらの写真はサービスショット。昨日のウラル・フィルとのリハーサルを終えて、カフェでゆったりくつろぐボリスさんです。す・て・き。