東京国際フォーラムに夜のとばりが降りるころ、
場内の小さな演奏会場の周辺には、独特の静かな空気が漂います。
103席の会場「リルケ」(G402)、本日の最終公演はルイス・フェルナンド・ペレスさんの演奏会でした。
リハーサル中にお邪魔いたしました
こちらの会場はコジンマリとしていて、ピアノの両サイドにキャンドルのようなライトが灯され、夜の雰囲気にとてもマッチ。落ち着いたムードで、それはそれは素敵なんです。
そんな中で演奏されたのは、ブラームスの4つのバラードop.10、3つの間奏曲op.117、そしてワーグナー(リスト編曲)の「イゾルデの愛」というラインナップ。すごく大人な曲ばかり!
しずかに、そして激しく、ロマンティックに。
ゆったりとした「3つの間奏曲」の第1曲目の演奏が始まるやいなや、会場の空気が一瞬にして変わりました。
―― 祈り ――
そんな言葉が頭に浮かびました。
一音一音をかみ締めるように、ペレスさんの音楽が始まりました。
4つのバラードでは、まるでコラールのような響きが聴かれました。
天使が降りてきてしまったのかもしれません・・・。
「イゾルデの愛の死」は、ワーグナーの大規模な楽劇「トリスタンとイゾルデ」の最期の最後に歌われる美しい歌。リストが編曲したこの曲を、ペレスさんが渾身の官能的演奏で、魅了しまくりました。
鳴り止まない拍手・・・何度もカーテンコールに応えるペレスさん。
最後に女性のお客さんから可愛らしい花束を受け取り、投げキッスでご退場。
美の余韻を残しながら、本日最終公演を終えられました。
こちらはなんと、本番直前2分前にカメラに向けて下さった笑顔!
「アリガトウゴザイマシタ!」
明るく日本語で伝えてくれました。