まるで音符が次々とその瞬間に生まれているかのよう!なんと瑞々しい演奏!
ホールD7「ヘッセ」で本日最後に行われたのは、プラジャーク弦楽四重奏団とツェムリンスキー弦楽四重奏団メンバーによる演奏会でした。この二つのチェコのカルテットは、師弟関係なのです。
最初に演奏されたのは、プラジャーク弦楽四重奏団によるシェーンベルクのスケルツォ。
「この曲はシェーンベルクの若かりし日の作品です。彼の『十二音技法』という発展的な手法を使う以前の作品なので、大変にロマンティックで、どんな方にも喜んでいただける曲だと思います。」
そしてブラームスの弦楽六重奏曲へ。ここで弟子のツェムリンスキー弦楽四重奏団からヴィオラとチェロの2名が加わりました。
彼らの力強いアンサンブルには、思わず感極まってしまいったお客さんも多いはず。
大喝采。ブラボーの嵐が巻き起こりました。
「僕たちの音楽作りの特徴は、旋律のフレーズの取り方にあるのでしょうね。チェコの民謡はとてもメロディアスなので、その影響があると思います。それは私たちの恩師であるスメタナ四重奏団のメンバーが、僕らに継承してくれたものなんです。」
(楽曲についてのコメントは、ナントでの取材時にお答えいただいたものです)
本番終了後、お疲れのところを撮影させていただき、今回の来日についてコメントをいただきました。
「日本の聴衆の皆さんの前で演奏するのは、いつでも素晴らしいことだと感じています。しかし、今回の来日は特別です。3月に大震災が起こった時点で、私たちは絶対に日本に行かなければならない、と決めていました。日本の皆さんにとっても、音楽文化はとても大切なものだと思っているからです。結果として、来て良かったと思っています。チケットは完売になりました。いま、私たちはとても幸せです。」
皆さんの音楽のおかげで、私たちのほうこそ、幸せに包まれました。ありがとうございました!