ロマンチックなイメージばかりが先行してしまうロシア音楽ですが、静かで密やかな音楽もたくさんあります。
そんな「静謐」の代表、宗教合唱曲を、ヤーン=エイク・トゥルヴェさん率いるヴォックス・クラマンティスで聴いてきました。
クレークの「晩祷」に始まり、メインはペルトの「痛悔のカノン」(抜粋)。このペルトがまた恐ろしい曲で、延々と痛悔機密を歌い続けるのですよ、ほぼ感情起伏なしで。一人の人間の懺悔する姿を盗み見ているような、ちょっとイケナイ事をしているような危険な感覚に陥りました。
ルネ・マルタンもご満悦!
終演後、指揮のトゥルヴェさんにペルトについてお伺いすると、「ペルトの音楽には、和楽に通じる繊細さ、ミニマリズムがあります。日本人も好きになるんじゃないかな」との事。その言葉通り、私達日本人の心に、ペルトはしっかり響いたはずです。