世界で最もハードなコンクールの一つと言われるクララ・ハスキル国際ピアノコンクールの2009年の覇者であるアダム・ラルームくんのソロ・リサイタルを聴いてきました。
本人も大好きだと語るスクリャービンから、5つの前奏曲Op.15、2つの前奏曲Op.27、ピアノ・ソナタ第5番、そしてプロコフィエフの『年とった祖母のお話』とピアノ・ソナタ第7番を演奏。
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スクリャービンの神秘的で詩的な世界と、ラルームくんの繊細で不思議な音色が見事にマッチしていて、知性を感じる丁寧な解釈で音楽を立体的に表現していました。
プロコフィエフの『年とった祖母のお話』は最近発見したお気に入りの作品のひとつだとか。「子供のための曲とも言われているけれど、詩的でちょっと変わった世界観は大人向けの作品だと思うんだ。」とのこと。
そしてラルームくん、面白いエピソードを披露してくれたのです!
「僕ね、ボリス・ベレゾフスキーさんの譜めくりをした事があるんだよ!でもね、もの凄いたくさんの音符が怒濤のように並ぶ曲だったから、めくる場所を間違えちゃったんだよ(苦笑)そしたら彼は大急ぎで前のページに楽譜を戻したんだよね。もう僕、生きた心地がしないまま終曲を迎えたんだけれど・・・ふう・・・(汗)ベレゾフスキーさんがいい人でよかったよ。彼は本当に素敵な人なんだよ。」
この時の模様は動画にアップされているかもしれないとのこと・・・。
それにしても、譜めくりにラルームくんとは贅沢ですね。でも、ピアニスト・ラルーム、譜めくリストは向いてない・・・かも。