4月8日(月)、東京国際フォーラム ホールB5で「クラシックソムリエサロン」第2弾が開催されました。ゲストはいずれも今年のナントのLFJを取材した、LFJクラシックソムリエのオヤマダアツシさん、片桐卓也さん、高坂はる香さんのお三方。「月刊ぶらあぼ」編集長の田中泰さんの司会で、今年のナントの土産話からオススメのコンサートまで、興味深いお話を聞かせてくださいました。
オヤマダアツシさんのオススメはカルイ指揮のラムルー管弦楽団。ラヴェルの「ボレロ」が「日本人が考えるキチッと整ったボレロとは一味違う。ソロ一人一人が自由で、しかも同じ演奏者なのに一日目と二日目でぜんぜん違っていたりする」。
片桐卓也さんは、現代音楽のスペシャリスト集団、アンサンブル・アンテルコンタンポランをパリで取材されてきたそうです。そのフルート奏者いわく「現代音楽のおもしろさは作曲者と直接コミュニケーションができるところ。この曲のここがつまらないと思ったら、それを伝えることもできる。作曲者と話し合えるのは演奏家の醍醐味」。ミュライユ作曲の「セレンディブ」の音源を聴きながら、「現代音楽の音の世界の豊かさを体験してほしい」と現代音楽を強くプッシュ!
それから現代フラメンコ界のトップスター、カニサレスを聴かなければ、今年のLFJは語れないというお話も。
高坂はる香さんのオススメはピアニストの清水和音さんとベレゾフスキー。二人ともラヴェルの「夜のガスパール」を弾いてくれるんですよね。「パワフルな印象の強いベレゾフスキーだけれど、ラヴェルはやわらかでいい意味で期待が裏切られた。でもドビュッシーの前奏曲集はベレゾフスキー節全開の男性的なドビュッシー」。
今年もたくさんのピアニストが登場するLFJ。オススメのピアニストにはマリー=カトリーヌ・ジローの名前も挙がっていました。教育者としての活動が多い方ですが、実はステージに立つとスゴいという、フランス音楽界の懐の深さを感じさせてくれる才能だとか。
あ、ちなみにジローさんは女性です。
LFJには出演しませんが、フランスのピアニストといえばアレクサンドル・タローもいます。
「タローさんとジローさんが共演してくれればフランス南極物語が実現するのに!」(片桐さん談)。
実現の暁にはぜひ勅使川原三郎さんのダンスとのコラボレーションが見たいものです。