ラ・フォル・ジュルネへ何度もいらしている方や、このブログを読んでくださっている方はすでにご存知だと思いますが、ラ・フォル・ジュルネの会場ではたくさんのボランティア・スタッフの方たちが働いてくださっています。
そのボランティア・スタッフの方たちに今年のテーマとその音楽を深く知っていただこうと、勉強会が4月16日の夜、東京国際フォーラムで開かれました。
何回もボランティアとして参加されている方、今年初参加という方、また勉強会については、昨年のロシア音楽の勉強会に引き続き今年も参加という方など、たくさんの方がこの勉強会に参加されていました。
今回の講師である音楽ライターの飯田有抄さんは、昨年のロシア音楽でも同様の勉強会で講師を務められた方です。飯田さんは、今回のテーマ範囲である19世紀半ばから20世紀にかけての100年以上にわたるフランス音楽とスペイン音楽について、実にコンパクトに、わかりやすくお話してくださいました。
取り上げた作曲家はサン=サーンスに始まり、メシアンまでと時代を順に追って10人。各作曲家がどんな人だったのか、その作品の特長を紹介しつつ、ラ・フォル・ジュルネでも聴ける曲を主に作品を紹介、約1分ほど各曲の試聴もしました。
※この記事の最後に作曲家と取り上げた作品の一覧を載せますので、勉強会へ参加できなかった方や、どの曲を聴きに行こうかまだ決まっていない方は参考になさってみてください。
今回の中心テーマである19世紀のフランス音楽とはどんなものだったのか、まずは簡単に歴史を振り返りました。フランス国民音楽協会(今回取り上げた作曲家のうちの何人かが設立に関わっています)が設立されるまでの流れをさっくりと知ったあと、それぞれが何かしらのグループ(音楽院つながり、師弟関係、影響関係など)に属していること、フランスを代表する3つの音楽学校とその特徴を頭にいれてから、作曲家個々の説明に入りました。歴史の流れが分かると、その時代の社会的・文化的な影響から、作曲家の志向や作品の特徴などがとても分かり易かったです。
参加された皆さんは集中してとても熱心にお話を聞き、メモを取ったり、公演のタイムテーブルをチェックしたり、そして音楽に耳を傾けていらっしゃいました。
【今回の勉強会で取り上げられた作曲家とその作品】
カミーユ・サン=サーンス
白鳥~《動物の謝肉祭》
ピアノ協奏曲第2番 第1楽章
セザール・フランク
ピアノ五重奏曲 第1楽章
ヴァイオリン・ソナタ 第4楽章
ガブリエル・フォーレ
ノクターン第1番
イン・パラディスム~《レクイエム》より
クロード・ドビュッシー
牧神の午後への前奏曲
レントより遅く(ピアノ曲)
エリック・サティ
家具の音楽
ヴェクサシオン
《3つのグノシェンヌ》より第1番
モーリス・ラヴェル
水の戯れ
ボレロ
イサーク・アルベニス(スペイン)
エヴォカシオン~《イベリア》第1巻より
マヌエル・デ・ファリャ(スペイン)
スペインの夜の庭 第3楽章
フランシス・プーランク
エディット・ピアフ讃~《15の即興曲》より
(2台ピアノのための協奏曲)※紹介のみで試聴なし
オリヴィエ・メシアン
世の終わりの四重奏曲 第1楽章
コウライウグイス~《鳥のカタログ》より