「水」と「光」を呼ぶ男、福間洸太朗さんがＬＦＪに初登場！　水と光っていうのは、お名前の「洸」（こう）の字ですよ。いまや日本のピアノ界の未来を担うお一人として、世界中を演奏旅行で駆け回り、あの「徹子の部屋」にも出てしまう注目の人。

そんな福間さんのリサイタルをG409（アポリネール）のお部屋で聴いてまいりました。

まさに「洸」太朗さん、現る！！ドビュッシーの「雨の庭」では、ポツポツと降ってきた雨は、急にザーッと嵐になったり、不意に止んだかと思えば、地面にじわじわと染み込んだり・・・形を持たないはずの水が、いろいろな形で見えてくるみたい！

後半すっかりホットにスイッチオン？　ジャケットを脱いでの熱演。福間さんの音の熱がヒートアップするに増して、会場の静寂が深まる。すごい一体感！

アルベニスの「ナバーラ」という曲では、まるで日本船「福間丸」に乗り、ヴァカンスでイベリア半島に連れて行ってもらったみたい。
日差しを浴びて「ハロー！スペイン！オラ！」なんて言いながら、なぜか女優帽をかぶりヴァカンスしてしまっている妄想が。組曲「イベリア」から「エル・ポロ」「ラバピエス」は、ピアノとダンスする福間さんの姿が！音楽の怒涛のうねりがやってくると、深い呼吸や小さく歌っておられる声も聞こえました。この迫力こそ、小さな会場の特典だね。

終演後、熱気冷めやらぬ福間さんに直撃！

「ラ・フォル・ジュルネは初めての出演で光栄です！初日に帝国ホテル、昨日は展示ホールの無料公演にも出演しましたが、あ、そうそう、昨日はもっとスペインチックな衣装だったんですけどね（笑）、で、その二つの公演では僕が思っていたよりたくさんのお客さんがいらしていて驚きましたし、きっと初めて僕の演奏を聴いて下さった方も多かったと思うんです。そういう場所で演奏できたことは、本当に嬉しいですね！　そして今日のリサイタルでは、びっくりするほど、お客さんが静かに集中して聴いて下さって......素晴らしい体験でした！」

ああ...あのド迫力演奏のあとで、実に爽やかすぎる......！