アンヌ・ケフェレックさん、マイクを持って舞台へ登場。
「これから、ハイク(俳句)のようなみじかいサクヒンをひきます。キョクとキョクのアイダはハクシュをしないでください。」と日本語で挨拶をしてから演奏を始めたのです!
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今回のプログラムは、"エリック・サティとその仲間達"と題され、音楽の旅のようにしたいというケフェレックさん自身によって考えられたもの。サティやラヴェル、ドビュッシー、プーランクなど小品が並べられ、フェルーやアーン、デュポンなどといった普段なじみの薄い作曲家の作品も取り上げられました。
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ケフェレックさんの美しいピアノの音色は、キラキラと美しい宝石に囲まれた素敵な箱の中にいる気分にしてくれます。最後は「サヨナラ。アリガトウ!アリガトウ、シズカ(静かに聴いて下さってありがとう)」そして「アリガトウ、オンガク...」と舞台を去って行かれました。
終演後お話を伺いに行くと、「日本とフランスには相通じるような感覚がたくさんあります。繊細さ、詩的なもの、ニュアンス、瞑想にふけるような感じ、色彩感など・・・」と、かなり日本がお好きなご様子。そして、フランス音楽はケフェレックさんにとってどのようなものか尋ねてみると「一言で言い表すのは難しいけれど、そうね・・・音楽という大きな木の枝の一つかしら。ドイツ音楽という太い幹を持つ木から派生した枝の一つ。幹の根底にはバッハがいるわね。そして枝には、フランス音楽だけではなく、イタリア音楽の枝やロシアの音楽の枝などもあるわ。」とお話くださいました。
ケフェレックさん、素敵な音楽をありがとうございました!そして、音楽にありがとう!