ルネ・マルタンが芸術監督をつとめる第33回ラ・ロック・ダンテロン・ピアノ国際音楽祭は今年も大盛況に終わりました。現地を訪れたLFJ音楽祭スタッフによるレポートをお届けします。
【音楽祭について】
ラ・ロック・ダンテロン音楽祭は、毎年7月中旬~8月中旬の一ヶ月間、南仏プロヴァンス地方のラ・ロック・ダンテロン村にあるフロラン城公園の野外ステージをメイン会場におこなわれます。今年は730人の演奏家が103回のコンサートをおこない、82,200人を動員しました。出演者リストを見るだけでも、ダニエル・バレンボイム、ギドン・クレーメル、グレゴリー・ソコロフ、ボリス・ベレゾフスキー(キーシンの代役をつとめました)など豪華な名前が連ねています。また勅使川原三郎や渋さ知らズが出演していることからも、ルネ・マルタンが日本発信の個性豊かなステージを、フランスで進んで紹介していることがわかります。
メイン会場の写真をご覧ください。
フロラン城公園は樹齢何百年ものプラタナスの木々にかこまれた緑あふれる地。
訪れる人々は音楽祭の魅力を以下のように語ります。(仏Aujourd'hui紙より)
*簡素さ「コンサートにはみな普段着で来る。気取った格好では来ないね。僕も今日はサンダルだよ。スノッブなところがまったくないのがいいね」(50代男性)
*土地の素晴らしさ「私はクラシック好きだけど、通というわけではないわ。まず場所が最高だし、村の雰囲気もいい。そしてコンサートにはいつも癒される。」(30代女性)
*世界最高の演奏家たち「ルガンスキーのディスクがお気に入り。その彼が今日演奏するの。一流のアーティストの演奏をこの値段で聴くことができるのは、またとない機会よ。」(40代女性)
*日常からの逸脱「パリではめったにコンサートには行かないけど、ここでは違う。コンサートに行くことが普通に感じられるわ。友達と散歩に出かける感じ。」(30代女性)
野外コンサートでは、蝉の鳴き声や木々のざわめきとともに聴く音楽に、新鮮さを感じる方も多いことでしょう。ルネ・マルタンは「作曲家は自然からインスピレーションを得て作曲することも多いので、そのことも意識している」と語っています。