ボンジュール、 ナント!
今年もやってきました、ラ・フォル・ジュルネの本場ナントでの音楽祭。
東京の音楽祭は10周年ですが、ナントでも20周年という節目の年を迎えます。
今年のナントのテーマは、「峡谷から星たちへ DES CANYONS AUX ÉTOILES」。
これはフランスの20世紀の作曲家オリヴィエ・メシアンが作ったオーケストラ曲のタイトルなんです。アメリカ建国200周年の記念として、1971年に依頼されて書かれた作品。
つまり、そう。今年のナントは「アメリカ音楽」のオンパレード!
これがプログラムのデザインであります。
ご存知「ウェスト・サイド・ストーリー」のバーンスタイン(プログラムの中央でキメキメの男性)や、「ラプソディー・イン・ブルー」のガーシュインはもちろん、アメリカに亡命したラフマニノフやドヴォルザーク、20世紀を代表するジョン・ケージらが大集結! そしてなんといってもジャズやブロードウェイ・ミュージカルまでカヴァーされたコンサートが並びます。なんとゴージャス。
音楽祭のレポートは、1月31日(金)、2月1日(土)、2日(日)の様子をお伝えします。
が、日本の取材陣は30日に到着。いち早く夜の会場を訪れてみました!
21時過ぎですが、会場の「シテ・デ・コングレ」周辺は多くの人々の姿が。
一歩中に入ると、「セントラルパーク」と名付けられた(!)会場中央のステージで、吹奏楽がガーシュインの「パリのアメリカ人」を演奏中。まだたくさんの人が会場で夜のひと時を楽しんでいます。
1900名を収容する一番大きなホールで、ベレゾフスキーのピアノ独奏、リス指揮ウラル・フィルによる「ラプソディー・イン・ブルー」、ラフマニノフのピアノ協奏曲第4番のコンサートがあるので、行ってみました。
ナントでも日本でも大活躍のベレゾフスキーさん。あいかわらず大きな身体でフル・コンサート・グランドのピアノ(通称フルコン)がフルコンに見えません。
ガーシュインではベレゾフスキーさんのジャジーな遊び心と、とき折聴かせるお洒落な音色、そしてリスさんとの呼吸ぴったりの演奏に、会場は「フゥー!」「ブラボー!」「ピュー!(口笛)」の大喝采。ラフマニノフもピアノとオーケストラの繊細なる掛け合いがお見事。あっと言う間の1時間でした。
ところで、20周年のナントでは、こんな3枚組の記念CDが作られているんですね。バッハからドビュッシーまで。聴きごたえタップリのお土産です。