とにかく大人気のモディリアーニ弦楽四重奏団!
どのコンサートも満員で、お客さんが全員入ったあと、報道陣は会場内に潜入できないこともある彼らの演奏会、これだけは! と楽しみにしていたのが、スティーブ・ライヴ作曲の「ディファレント・トレインズ」。
同じ音型パターンを繰り返す「ミニマル・ミュージック」のなかでも有名な曲なのですが、カッコいい音運びとはウラハラ(?)に、扱っているテーマはけっこう重いんです。ホロコーストです。
少年時代、離婚した両親のもとを電車で行き来していたライヒ。「僕が乗っていた汽車、もし違う時代に違う汽車(Different Trains)だったとしたら、それは強制収容所行きだったのかもしれない......」ある時そんな着想を得たライヒが、ホロコーストを生き延びた人々の声や汽車の音などの加工された録音、そして2グループの弦楽四重奏の録音にあわせ、生の弦楽四重奏が演奏をする、というこの作品が生まれたのでした。
......という解説はさておき、録音を使うからにはスピーカーを使用するわけで、ステージはどんなふうになるかというと、こんな感じ!
奏者のすぐ後ろにスピーカーが置かれるんですね。この配置はライヒが指定してる。そして流れる弦楽四重奏の録音は、「クロノス・クァルテット」というグループによる演奏のものを使うことになっているんですって。
それにしてもスピーカーの音、デカッ!! 会場が広すぎたり、いろんな要因があるのでしょうが、ちょっと耳が痛いよ〜な状況に陥りまして......モディリアーニ弦楽四重奏団のキレのある演奏でしたが、この曲を「生」で体験するのって、なかなかに大変なことになりかねないのだなぁと実感いたしました。
「ディファレント・トレインズ」に続けて演奏されたのは、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」。まるで死者への静かなる弔いのように響き、集中して聴き入ってしまいました。この2作品の組み合わせ、とても素晴らしいですね。
さて、モディリアーニの皆さん。また今年も東京の会場をにぎわせてくれるという風の便りもチラホラと。お話をうかがってきました。
「東京のラ・フォル・ジュルネは10周年ということだそうですが、実は僕らも結成して10年になるんです! 10年たった今も求め続けていることは同じです。作品を深くみつめ、レパートリーを広げ、そして演奏家としての英智を磨き続けて行くこと。10年とはいえ、僕らはまだまだ若手なので、いろんなことにチャレンジしたいですね。ベートーヴェンの弦楽四重奏のレパートーをもっと広げていきたいですし、最近では音楽祭の音楽監督を任されることもあったりするので、ますます勢力的にがんばっていこうと思います」
そうでしたか! モディリアーニの皆さん、LFJ東京と同い歳だったんですね。
......とそこに、現れたるは、指揮者のカルイさん。
ニコニコと近づき (え〜と...取材中なんですが...汗)、
にじり寄って、
チュ♡
人気者同士、仲良しなんですね。