東京でラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンが2004年に始まって以来、毎年出演されているピアニストの児玉桃さんは、フランス音楽を得意とされていらっしゃいますが、この10年の間に取り上げられたさまざまな作曲家の作品を演奏していることから、非常に幅広いレパートリーをお持ちなんだと毎回驚かされます。
その児玉さんが演奏されたショパンは、作品の細部に至るまで神経が行き届いていることが分かるような、ピアノから立つ音色が絶品でした。あるときは粒の細かい軽やかな音、またあるときは非常に芯のある力強い音......鍵盤から奏でられる音楽が、聴き終えたいまもまだ耳から離れません。最初から最後まで約45分一気に弾き通したため、その集中力たるや鬼気迫るものがあり、彼女の一挙手一投足から目が離せなくなりました。
楽屋に回ってみると、演奏を終えた児玉さんは非常ににこやかで、「(LFJが)はじまった年から出てるんです」とお話をしてくださって、気軽に撮影にも応じてくださいました。
本当に素晴らしいショパンでした!