LFJではもうおなじみの人気ピアニスト、小菅優さん。最終日はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第26番「告別」、ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」を演奏されました。ベートーヴェンの特別な告白を秘めたようなこの2作品ですが、小菅さんの知的で情熱的なピアノからは、ベートーヴェンと真っ正面から対峙するような真摯な小菅さんの姿を垣間見たようで、思わず胸が熱くなりました。
小菅さんにとってベートーヴェンは、今とても大事な作曲家なのだそうです。人間くささや感情の限界にまで挑んでいるようなところ、文学に造詣が深く、哲学的で、いつもなにか問いかけをしているようなところ、作品に現れる人間の本質的なこと、例えば別れがあったり再会があったり・・・そんな点に惹かれているそうです。
ペダリングや音楽の解釈、知的でありながらもベートヴェンが私達に何か語りかけてきてくれるような小菅さんのピアノ・・それは彼女のベートーヴェンに対する愛情や畏敬の念、そして深い研究の賜物なのでしょうね。素敵な演奏を本当にありがとうございました!