飯田有抄(クラシック音楽ファシリテーター)
Morning |
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初日の朝一は、爽やかなピアノの音色からスタート。 人気のピアニスト福間洸太朗さんの演奏で、ショパンの舟歌、福間さん編曲のスメタナのモルダウなどの名曲を、みずみずしい演奏で楽しむ。 水辺の旅気分からいざボヤージュへ出発! |
Afternoon |
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毎年LFJで勢いのある演奏を聴かせてくれるウラル・フィル。ことしは「ユース」の登場?! これはぜひとも応援マインドをもって駆けつけたい。 フロレンツの「クザル・ギラーヌ(赤照らの砂漠)」は、壮大な異国の景色をオーケストラ・サウンドで味わうことのできる作品。 ブルッフのスコットランド幻想曲は叙情的で歌心も溢れる。知名度こそパッとしないかもしれない(?)プログラムだが、内容的にはとびきり楽しめそうな公演だ。 |
Evening |
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なんと神尾真由子さんがLFJ初登場!力強くもつややかな神尾さんの音色なら、チャイコフスキーの協奏曲は胸に迫る演奏になること間違いなし。 スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団は、凛々しくノーブルなサウンドが魅力。両者の掛け合いにも期待が高まる。 |
Morning |
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未知なる響きとの出会い、これぞLFJの醍醐味だ。 二日目の朝は50名の合唱「ミクロコスモス」の神秘的な歌声と、英哲風雲の会の和太鼓が織りなすアンサンブルで、これまでに一度も耳にしたことのない音に包まれながら感性を刺激したい。 |
Afternoon |
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静謐な美学をもったペルトの音楽を聴き、ここで耳をすこし安らげたい。 いや、むしろその美しい緊張感ゆえに、精神はどんどん覚醒してしまうかも?! | |
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フランスのハーモニーの美しさに浸りにいく。 ドビュッシーの若き日の作品、ピアノと管弦楽の幻想曲は、ローマ留学時代に書かれた作品。 ドビュッシーにとって留学はホロ苦い経験でもあったようだが、書かれたさ作品はとても美しい。 ペヌティエさんのピアノでじっくりと鑑賞。 |
Evening |
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この日の夜は、歌で締めくくろう。曲目はユニークなラインナップ! ストラヴィンスキーの「3つの日本の抒情詩」を、カマリーナさんのソプラノでぜひ聴いてみたい。 ベリオの世界中の民謡を集めたという「フォーク・ソングス」も気になる作品だ。 |
Afternoon |
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日本の作品の公演も、タイムテーブルのどこかに必ず組み込みたい。 今年は矢代秋雄の交響曲を聴こう。カップリングはなく、この一曲のみが演奏される公演。 現代的なハーモニーの美を、じっくりと味わいたい。 | |
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なにしろコンセプトの面白い公演だ。ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」と、ガーシュウィン生誕65周年に書かれたミヨーの「ニューヨークのフランス人」。半世紀以上離れた交換留学生のような2作品。響きの違いを楽しもう。 |
Evening |
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ここ何年か、作品と作品のつながりを非常に大切にプログラミングしているケフェレック。 曲間の拍手を排する構成なども、音楽への集中を促してくれる。今年もそんな親密な雰囲気で聴かせてくれるのだろうか。 「水」をテーマにした小品に耳を澄ませたい。 | |
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最終公演の選択は、毎年とても迷う。 今年は最後に「ピアニーノ」という楽器のチャーミングな音色で締めくくることにしよう。 ショパンが愛したプレイエル社製の小型アップライトピアノ。演奏は第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位に輝き、話題となった川口成彦さん。 数々の作品とともに作曲家たちの旅の軌跡を辿りたい。 |
クラシック音楽ファシリテーター、ライター。 東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程、Macquarie University修士課程通訳・翻訳修了。 書籍、雑誌、楽譜、CD解説等に執筆。クラシック音楽ネットラジオOTTAVAプレゼンター。 長年にわたりラ・フォル・ジュルネ音楽祭の公式レポーターを務める。