「旅」といえば「壮大」(と勝手に決め付けて)、「壮大」といえば「オーケストラ」……ということで、今年のLFJ出演オーケストラを網羅するプランを立てました。
普段接する機会が少ない楽団、滅多に聴けない作品を耳にできるのが、LFJの魅力のひとつ。
それゆえオーケストラ通にとっても意外な穴場と言えるでしょう。
まずは気軽に足を運び、これらの公演をハシゴすれば、マニアもビギナーも発見の喜びを味わえる可能性大です。
5/3 (金・祝)
Morning |
- 1419:45〜
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[曲目]
ワルトトイフェル:ワルツ「スペイン」op.236
ラロ:スペイン交響曲op.21
[出演]
ディアナ・ティシチェンコ (ヴァイオリン)、
神奈川フィルハーモニー管弦楽団 (オーケストラ)、
三ツ橋敬子 (指揮者)
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三ツ橋敬子と神奈川フィルの溌剌コンビは、耳と頭を目覚めさせるにもってこい。フランスの作曲家が憧れたスペインの情趣は、我々にも現地を旅した気分を与えてくれます。
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- 14211:30〜
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[曲目]
ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド 」op.16
[出演]
ジェラール・コセ (ヴィオラ)、
タタルスタン国立交響楽団 (オーケストラ)、
アレクサンドル・スラドコフスキー (指揮者)
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力強い演奏で唸らせるタタルスタン交響楽団は、LFJでしか聴けない貴重な存在。ヴィオラをフィーチャーした「イタリアのハロルド」は、旅のメランコリックな側面を味わえます。
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Afternoon |
地上広場の屋台の焼きそばなどで昼食後、今年の様子を把握するべく散策。
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- 14415:00〜
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[曲目]
フロレンツ:交響詩「クザル・ギラーヌ(赤照の砂漠)」op.18
ブルッフ:スコットランド幻想曲op.46
[出演]
梁美沙[ヤン・ミサ] (ヴァイオリン)、
ウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団 (オーケストラ)、
エンへ (指揮者)
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初来日のウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団の若々しいエネルギーに注目。フロレンツの交響詩「クザル・ギラーヌ(赤照の砂漠)」も初耳ゆえに、併せて未知の魅力大!
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Evening |
帰宅してもいいが、余力があれば、<115>でショパンに浸るのも一興。
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- 11518:45〜
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[曲目]
ショパン:練習曲集 op.25から 6曲(番号未定)
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
[出演]
ボリス・ベレゾフスキー (ピアノ)、
シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)
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5/4 (土・祝)
Afternoon |
地下展示ホールや地上キオスクのコンサート、講演等を無料で楽しむ。
当日券で<243>の吹奏楽や<213>のアフリカ情趣を愉しむのもいい。
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- 24313:15〜
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[曲目]
A.リード:エル・カミーノ・レアル
チャイコフスキー(挾間美帆編):「くるみ割り人形」から 花のワルツ
ガーシュウィン(真島俊夫編):パリのアメリカ人
和泉宏隆(真島俊夫編):宝島
*「宝島」は客席の皆さんも演奏にご参加いただけます。
[出演]
シエナ・ウインド・オーケストラ (オーケストラ)、
栗田博文 (指揮者)
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- 21314:45〜
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[曲目]
サン=サーンス:アルジェリア組曲 op.60
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 op.103 「エジプト風」
[出演]
アブデル・ラーマン・エル=バシャ (ピアノ)、
タタルスタン国立交響楽団 (オーケストラ)、
アレクサンドル・スラドコフスキー (指揮者)
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- 24517:00〜
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[曲目]
フォーレ:パヴァーヌ op.50
フォーレ:ピアノと管弦楽のためのバラード 嬰ヘ長調op.19
ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲
[出演]
ジャン=クロード・ペヌティエ (ピアノ)、
ジョナス・ヴィトー (ピアノ)、
シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)、
ミハイル・ゲルツ (指揮者)
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LFJでおなじみシンフォニア・ヴァルソヴィアを、美しきフランス物で愉しむ公演。フォーレとドビュッシーのピアノ+管弦楽作品を同時に聴く機会など、他にはありません。
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5/5 (日・祝)
Afternoon |
本当は<342>井上道義&新日本フィルの矢代秋雄の交響曲を聴きたいが、地下展示ホールや地上キオスクのコンサート等を無料で楽しむのもいい。
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- 34212:00〜
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[曲目]
矢代秋雄:交響曲
[出演]
新日本フィルハーモニー交響楽団 (オーケストラ)、
井上道義 (指揮者)
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- 34415:30〜
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[曲目]
伊福部昭:二十絃箏とオーケストラのための交響的エグログ
伊福部昭:日本組曲から 盆踊、演伶(ながし)、佞武多(ねぶた)
[出演]
滝田美智子 (筝)、
新日本フィルハーモニー交響楽団 (オーケストラ)、
井上道義 (指揮者)
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井上道義&新日本フィルの活気溢れる演奏で明日への活力をチャージ。映画「ゴジラ」の音楽で知られる伊福部昭の音楽で生理的快感を味わい、箏とのコラボで異空間へトリップ!
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Evening |
グッズ売り場などを覗いて帰宅……してもいいけど、<345><315>でジャズ含みの音楽を満喫すれば満足度は大幅アップ。
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- 34517:15〜
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[曲目]
ガーシュウィン:パリのアメリカ人
ミヨー:ニューヨークのフランス人
[出演]
タタルスタン国立交響楽団 (オーケストラ)、
アレクサンドル・スラドコフスキー (指揮者)
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- 31519:00〜
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[曲目]
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
[出演]
小曽根真 (ピアノ)、
フランク・ブラレイ (ピアノ)、
シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)、
ミハイル・ゲルツ (指揮者)
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【柴田克彦 プロフィール】
音楽マネージメント勤務を経て、フリーランスの音楽ライター、評論家、編集者となる。「ぶらあぼ」「モーストリー・クラシック」等の雑誌、公演プログラム、宣伝媒体、CDブックレットへの寄稿、プログラム等の編集業務、講演や講座など、幅広く活動中。著書に「山本直純と小澤征爾」(朝日新書)。