異国情緒で夢広がる「旅」コンサート詰め合わせ

小田島久恵(音楽ライター)

5/4 (土・祝)

Morning
2219:30〜

Jumala ユマラ

[曲目] 仏トゥールを拠点に活動する合唱アンサンブル「ミクロコスモス」。クラシックの域を超えたオリジナリティに富んだ舞台を提供し続ける彼らと、世界的太鼓ソリスト・林英哲のコラボレーションによるプログラム。北欧神話に登場する、楢と関係の深い神「ユマラ」、舞台中央の太鼓を楢の木に見立て、その周りを巡る歌手たちが惑星を表現します。

[出演] ミクロコスモス (合唱)、 林英哲 (太鼓)、 英哲風雲の会 (太鼓ユニット)、 ロイック・ピエール (指揮者)

仏トゥールを拠点に活躍する合唱アンサンブル、ミクロコスモスがいよいよ東京にやってくる! 幻想的でシアトリカルな唯一無二の世界観をもつ素晴らしいユニット。英哲風雲の会との共演も楽しみです。 2018年のナント公演では万雷の拍手と歓声とスタンディングオベーションをさらっていたミクロコスモス。 今年のLFJでは絶対聞き逃したくない大目玉のユニットです。
Afternoon
21314:45〜

[曲目] サン=サーンス:アルジェリア組曲 op.60
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番 ヘ長調 op.103 「エジプト風」

[出演] アブデル・ラーマン・エル=バシャ (ピアノ)、 タタルスタン国立交響楽団 (オーケストラ)、 アレクサンドル・スラドコフスキー (指揮者)

タタルスタン国立交響楽団とエル=バシャによるサン=サーンスのエキゾティックなピアノ協奏曲2曲。 旅を愛し、膨大な数の渡航を経験したサン=サーンスは、自分以外のカルチャーの中に他者を求めた独特の美意識の持ち主だった。 オペラ「サムソンとデリラ」や「動物の謝肉祭」だけじゃない、サン=サーンスの本質を体感する貴重なコンサートになりそう。
Evening
22618:30〜

グランド・ツアー:ヨーロッパをめぐる旅

[曲目] パーセル、ラモー、マレ、コレルリ、テレマン、バッハ・・・ 18世紀、英国貴族の若者たちの間で欧州各地を旅して見聞を広める“グランドツアー”が流行した。 チェンバロ奏者でアンサンブル・マスクの主宰者オリヴィエ・フォルタンは、当時書かれた書簡に着想を得て、ドーバーを発ち、パリ、ヴェルサイユ、ディジョン、そしてヴェネツィアやローマを経てライプツィヒに至るまでの道のりを、俳優の朗読と共に音楽で辿る“グランドツアー”という舞台を創り上げた。

[出演] 別所哲也 (俳優)、 アンサンブル・マスク (室内楽)、 オリヴィエ・フォルタン (チェンバロ)

ルネ・マルタン氏が記者会見のトークでも熱く語っていた「グランド・ツアー」は18世紀の英国貴族の間に広まった「各地を旅して見識を広める」目的のツアー。 そんなものがあったことも知らなかった筆者、どんなものが演奏されるか楽しみでなりません。 ラ・フォル・ジュルネ初登場のアンサンブル・マスクがどんな活躍を見せてくれるか期待。

5/5 (日・祝)

Morning
32211:30〜

シルクロード

[曲目] キリスト教世界、ユダヤ教世界、イスラム教世界の文化的拮抗から生まれた地中海沿岸のさまざまな音楽と、西ヨーロッパ(フランス、スペイン、イタリアなど)の古楽のあいだを自在に行き来する器楽・声楽アンサンブル、カンティクム・ノーヴム。極東と地中海世界を繋いだ「シルクロード」を音で再現するプロジェクトでは、日本・中国のアーティストたちを迎え、エキサイティングな共演を繰り広げます。

[出演] カンティクム・ノーヴム (室内楽)、 エマニュエル・バルドン (指揮者)、 小濱明人 (尺八)、 山本亜美 (筝)、 小山豊 (津軽三味線)、 姜建華[ジャン・ジェンホワ] (二胡)

カンティクム・ノーヴムの地中海沿岸の伝統音楽を聴いてはるかなる旅気分を満喫。 時を超えた感覚にいざなわれたあと、地上の屋台村を漂います。 去年の初登場で強烈な存在感を示していったカンティクム・ノーヴムは、ワールド・ミュージック愛好家やロック・ファンにも聴いてほしい!
Afternoon
31314:30〜

[曲目] リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調

[出演] マリー=アンジュ・グッチ (ピアノ)、 金子三勇士 (ピアノ)、 シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)、 フアド・イブラヒモフ (指揮者)

マリー=アンジュ・グッチと金子三勇士によるリストのピアノ協奏曲第1番&第2番を、常連のオーケストラ、シンフォニア・ヴァルソヴィアの共演で。 昨年はリサイタルで大きな話題をさらったマリー=アンジュ、大ホールで聴く天才のパフォーマンスに期待大。 リスト音楽院出身でハンガリーのルーツをもつ金子三勇士さんのリストも絶品です。
Evening
32619:00〜

モーツァルト:オペラ《後宮からの誘拐》

[曲目] ディーヴァ・オペラ(ピアノ伴奏版・原語上演・字幕無/途中休憩15分)

ベルモンテ(スペインの貴族):アシュリー・カトリング
オスミン(太守の監督官):マシュー・ハーグリーヴズ
ペドリッロ(ベルモンテの召使):リチャード・ダウリング
太守セリム:デイヴィッド・ステファンソン
コンスタンツェ(ベルモンテの婚約者):ガブリエラ・キャシディ
ブロンデ(コンスタンツェの召使、英国人):バーバラ・コール・ウォルトン

[出演] ディーヴァ・オペラ (オペラ)

13年ぶりにラ・フォル・ジュルネに登場するディーヴァ・オペラの極上のモーツァルトは何がなんでも聞き逃せない。 2006年に会議室をオペラハウスに変えた感動が記憶に残っている人はもちろん、初めてオペラを聴く人にもリーズナブルで画期的な公演です。 凝縮された歌と演技を楽しむ充実の2時間。

【小田島久恵 プロフィール】